思いがけず「影響」
母は、45年ほど前、車の免許を取りました。
きっかけは、「父に勧められたから」と母は言っておりました。
なぜ亡き父が、母の免許取得を進めたのか?
今となってはその真意はわかりませんが、
先見という観点から勧めたのではないかと私は推測します。
当時、東京から長野に引っ越してきたばかりの母の移動手段は、
自転車、原付バイクが主でした。
遠くに出かけたいときは、父の運転です。
便利な東京から、
公共交通機関の利用が不便な場所に引っ越してきて、
不便さは感じていたものの、その生活にも慣れてきたところでしたし、
なにより、周囲(隣り組の方々)を見渡しても、
当時、主婦で車を運転している人はいなかったので、
自分が車を運転することになるとは想像していなかったそうです。
THE昭和の母は、父の言うことだからと、
素直に従ったのでしょう。
40歳で普通自動車の運転免許を取得することができました。
それを聞いた、母よりも少し若い同じ常会の主婦の方が、
「へ~、車の免許取れるんだ~」と、気付き、
(その方も、自分が車の運転をすることを想像していなかったようです。)
しばらくして、
「私も車の免許とったよ~」と母に報告してくれたのだそうです。
それから、
同じ常会の中で「主婦の運転免許取得ブーム」(←勝手に私がそう捉えている(笑))が起き、
ご近所の主婦の多くが、運転免許を持つことになったとのことでした。
そのほとんどが母よりも年上の方だったようです。
もし、私が40歳の時に車の免許を取ることになったら、
若い時よりも、かなり勇気が必要だったと想います。
ましてや、自分の周囲に同じ経験を持つ人がいなかったらなおさらです。
母の挑戦が、周囲の主婦の方へ少なからず影響したのは確かです。
意図せず、誰かに影響を与えるこがある。
ということを母の昔話から知ることができました。
影響を与えたい、与えなきゃ。
そう、肩に力が入っていると、
かえって相手には響かないのかもしれません。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
MindLabo代表 山本智香子