不測の事態を伝えた時
不測の事態が起きました。
それを上司に伝えなければなりませんでした。
その上司の方は、ご自身にも少なからず弊害が加わるにも関わらず、
そのことには一切触れず、私の安否のみを気づかってくださいました。
私は、涙が出るほどうれしく、安心もし、それと同時に、
以前読んだ論語の中の物語りを想い出していました。
本を取り出し、確認しました。
上司の方の言動は、やはり孔子と同じでした。
以下、
中村信幸 監修 / 宮下真 著
【心が整う「論語」86の言葉】永岡書店発行 より
厩焚けたり。子、朝より退きて曰く、人を傷えりやと。馬を問わず。
厩が焼けた。先生は仕事から帰ってくると、
「だれもケガはしなかったか」と問われて、馬のことは何も聞かなかった。
孔子の留守中に、家事で厩(馬小屋)が焼けてしまいました。
馬はもちろん当時も大変な財産です。
その馬を焼死させてしまったのでしょう。
留守中を守る使用人や弟子たちは、
「これは大変なことになった」と青い顔をして
主人の帰りを待っただろうと想像できます。
ところが、朝廷の勤めから帰ってきた孔子は、
「ケガ人はいなかったか」と、人々の安否だけを気づかい、
馬がどうなったかについては何も聞かなかったというのです。
こうした火事や災害、急場の時にこそ人の本性は表れてしまうものです。
----------------------------------------------------------------
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
MindLabo代表 山本智香子