大丈夫という口癖の要因
亡くなった父は、心臓病と腎臓病を抱えておりました。
8年ほど前に心臓の手術をし、
人工弁とペースメーカーが体内に取り付けられました。
手術の影響もあり、持病の腎臓病が急激に進行。
手術をして間もなく、人工透析を受けるようにもなりました。
そんな大病を2つも抱える父の口癖は、
「大丈夫」でした。
父の生前、
母から、「お父さんの体調が優れない」という連絡がちょくちょく入りました。
その都度、父に直接電話をしたり、実家に会いに行ったりしていましたが、
返事は決まって「大丈夫」でした。
母が「お父さん、決まって大丈夫しか言わないけど、ほんとは大変なんだよ!」
と、娘である私に現状を正確に理解してもらいたいようでした。
実際のところ、
貧血が酷くて輸血してもらったり、
突然、嘔吐したり、
足の血管が詰まりかけて処置してもらったり、
私が父と同じ立場であれば、
「大丈夫」とは、簡単に言えそうもない状況であったようです。
なぜ、父は辛い状況、大変な状況でも、
いつも「大丈夫!」という返事だったのか?
要因はいろいろとあると想いますが、大きく3つ考えました。
1つ目、家族への配慮。
2つ目、不安にフォーカスしない在り方。
3つ目、受け容れる速さ。(受容力の強さ)
です。
①家族への配慮
父は、とにかく身内を大切にする人でした。
「家族に心配させたくない。」そんな想いが伝わってきます。
今、ふと思ったのですが、自分自身にも心配を与えたくなかったのかもしれません。
自分が発した言葉は、自分自身も聞いています。
父は、本能的に自分自身にも「大丈夫」と言って安心させていたのかもしれません。
②不安にフォーカスしない在り方
父は、自分の病気以外のことでも、楽観的に考えて、すぐに行動に移す人でした。
というより、あまり考えていなかったかもしれません。
特に、不安を増幅させるようなことは・・・!
なので、行動がフライング気味で失敗することもありましたが、(笑)
不安にフォーカスせず、とにかく、やってみる、試してみるというスタンスの人でした。
③受け容れる速さ(受容力の強さ)
父は、とにかく、物事の受け入れ方が早かったように想います。
特に、負の出来事に関してはそうでした。
「これ以上ダメだ」とわかったら、
思考をすぐに切り替えて、
別な方法を探したり、改善策を見出したりして、
過去は過去として割り切っているタイプでした。
父の楽観性について、自分なりに考察してみて改めて想うのが、
こんなに近い所に、楽観的生き方を学べるお手本が居たんだな~ということです。
今更ですが、今後、楽観的になれない時(何かに執着したり、不安に苛まれているときなど)、
「父だったらどう考えるか?何と言うか?どんな行動をとるか?」
自問していきたいと想います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
MindLabo代表 山本智香子