人にはそれぞれ居場所がある
知人の娘さんのお話です。
高校時代は部活にも所属せず、
仲間外れというわけではないにしろ、
クラスに特定のお友達がいなかったそうです。
授業も楽しくなく、学校を休みがち。
それでもなんとか留年することなく高校を卒業。
高校を卒業し専門学校へ進学するも、
そこでもクラスに友達を作ることができず、
授業も自分が想像していたものとはちょっと違ったようで、
1年で中途退学。
「地元に帰ってきたら?」と両親は言ってみるものの、
東京で一人暮らししたい!
という意志を貫いているのだそうです。
最近、そんな娘さんの近況を教えてくださいました。
娘さんは、専門学校生時代から続けている、
バイトを今も頑張っているのだそうです。
そのバイト先はチェーン店で沢山の店舗があり、
娘さんが住むアパートから通いやすい場所に、
他にもたくさん店舗があるのたそうです。
でも、なぜか、家から離れた、
元ご自身が退学した専門学校の近くの店舗で働き続けているとのこと。
その理由を聞くと、「仕事、楽だから・・・」と。
それだけの理由だったら、なおさら、
「住んでるところから通いやすい同チェーンの他の店舗でいいのに・・・」と
内心知人は思っていたそうです。
そんな知人と娘さんが久しぶりに、
一緒にご飯を食べに行く機会があり、
お酒も少し飲んだせいか、娘さんの口数がいつもより多くなったのだそうです。
そこで、娘さんのバイト先の話になって、
敢えて通勤しづらい場所で働く理由が何となくわかったのだそうです。
そのお店には、年配の女性の常連さんが居て、
知人の娘さんがシフトに入っていると一番安心する。
とても対応が良くて、安心して楽しめる。
とおっしゃってくれるのだそうです。
他の常連さんにも、名札を見て娘さんの名字を覚えてくれて、
気さくに声をかけてもらえることが多いのだそう。
店長さんからの信頼も厚いようで、
他のバイトさんと希望のシフト時間が重なっても、
一番優先して入れてもらえるのだそうです。
他のバイトさんに人気のある時間帯のシフトでも、
ほぼ100%希望通りシフトに入れてもらえるのだそうで、
理由を聞くと、「しっかりやってくれる人に一番入ってもらいたいから」
と言ってもらえるのだそうです。
最近では、店長さんや社員さんから「これどう想う?」と、
仕事についての意見を求められることもあるのだそうです。
お客さんにも、店長さんにも必要とされる存在となり、
娘さんは、生き生きとして、
前よりもすごく自信に満ちた表情だったとのこと。
常連さんのためにも、店長さんのためにも、
娘さんが働く場所はその店舗でなくてはならない訳なのですね。
娘さんのことをお話しする知人の表情も、
うれしそうで、かつ、ほっと一安心といったご様子でした。
高校卒業して進学して就職。
このパターンが多い日本。
でも、もっともっと、いろんな選択肢があってもいいんじゃないかなと、
知人のお話を聴いていて想いました。
学校生活が苦手な人って案外いらっしゃるんじゃないでしょうか?
でも、ちょっとしたきっかけで、
自分の居場所を見つけ、
自分らしさ、笑顔、自信、うれしいという気持ち、
こういったものを持って、生きられるようになる。
そのことの方が人として大切なことではないでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
MindLabo代表 山本智香子